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熱海

熱海で大正時代にタイムスリップ、文豪が愛した邸宅「起雲閣」

「熱海の三大別荘」と謳われ、多くの文豪が愛した邸宅「起雲閣」。大正時代に別荘として建てられたのち、旅館として営業されていた際は、太宰治・山本有三をはじめとする多くの文豪が熱海の常宿として利用しました。ローマ風浴室、洋館「金剛」やサンルーム、日本庭園など、大正から昭和にかけての息吹を感じられる歴史的な建築様式が現代に残ります。

アクセス

バス利用
熱海駅を出て左手のバスロータリーから、1・2・3・6番のりばの伊豆箱根バスに乗車、「起雲閣前」もしくは「天神町」バス停下車、徒歩2分程度
または、市内周遊バス「湯~遊~バス」に乗車、「起雲閣西口」バス停下車、徒歩2分程度

タクシー利用:
熱海駅を出て左手のタクシー乗り場から乗車約10分程度

自家用車利用:
東名高速道路 厚木ICより約80分

起雲閣の見どころ

歴史的にも大変貴重な建築を今も残す「起雲閣」の見どころをご紹介。アールデコをはじめとするヨーロッパ建築の美しさと、日本らしい細工が施された装飾は、建築に携わった職人たちの技術とこだわりを覗かせます。中庭に位置する庭園は、池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)と呼ばれており、桂離宮や金沢兼六園などにもみられる日本庭園の様式で、池と園路を中心に作庭されています。

和館「麒麟・大鳳(きりん・たいほう)」

                           起雲閣ホームページ

1918(大正7)年に着工し翌年に完成した和館「近隣・大鳳」は、最初の持ち主「内田信也」が実母の静養場所として建てた別荘が始まりです。
館内には、群青色の壁が特徴的な座敷があり、石川県加賀地方の伝統的な技法「加賀の青漆喰」が用いられています。この漆喰は旅館時代に施されたもので、旅館を開業した「桜井兵五郎」が石川県の出身であったため、取り入れられたと言われています。

加賀の青漆喰

揺れ動く景色

中庭を臨む窓ガラスには、職人が1枚ずつ流し込んで作られた「大正ガラス」がはめ込まれており、ガラスの厚さが均一でないために起こるゆがみが、中庭の景色をゆらゆらと揺らし、独特の美しさを作り出します。

段差のない入側造(いりかわづくり)の畳廊下

     和館「孔雀(くじゃく)」

洋館「金剛(こんごう)」

左奥外に見える建屋がローマ風浴室

1929(昭和4)年に完成した洋館「金剛」は、二代目の持ち主「根津嘉一郎」によって建設され、当時は独立した建物でしたが、1989年の改築時にローマ風浴室の位置と向きが入れ替わり、回廊を通じて行き来が可能となりました。
暖炉上の梁にはスぺ―ド、ハート、ダイヤ、クラブを象った模様が並び、洋館では珍しい螺鈿細工が用いられており、日本の伝統工芸の技が光ります。また、蝶番やドアノブなど、細工が施された建具金物は当時の姿をそのまま残します。

トランプマークの螺鈿細工が施された梁

ローマ風浴室

洋館「金剛」に併設するローマ風浴室は、1989年の改築で多くの部分が現代の材料に改められましたが、突き当りにあるステンドグラスの窓やテラコッタ製(素焼き)の湯出口は建築当時の物です。浴槽の周りには「木製のタイル」が敷かれており、ぬくもりのある肌触りと滑り止めの効果を考慮して敷かれています。ステンドグラスの窓が外の光を透過し、明るく開放感のある浴室になっています。

庭園(中庭)

                           起雲閣ホームページ

庭園を囲むように建物が配置する

ロの字型に繋がる建物の中心には、四季折々の草花が楽しめる1,000坪の庭園があり、桂離宮や金沢兼六園と同じく、池泉回遊式庭園様式を用いて作庭されています。眺めるだけの庭ではなく、実際に園路を巡り散策することで、季節の移ろいやそこに住む生き物の様子など、豊かな自然を楽しむことができる庭園です。

       四季折々の色彩が楽しめる庭園

営業情報

利用料金、開館時間、休館日は下記となります。駐車場(無料)が完備されているので自家用車でもお越しいただけます。
また、荷物は入館後ロッカーに預けていただくようになります。

入館料金:
・一般 大人610円、高・中学生360円、小学生以下無料
・市民、団体、障がい者 大人460円、高・中学生240円、小学生以下無料
※団体割引は20名様以上で適用されます。
※入館時に免許証や手帳提示をお願いしております。

開館時間:
9:00~17:00(最終入館16:30)
※見学時間は、館内・庭園あわせて40~60分程度おとりください。
※喫茶室「やすらぎ」は、9:00~16:00の営業です。

休館日:
毎週水曜日(祝日の場合は開館)、12月26日~30日

熱海市ホームページ

まとめ

大正時代に作られた「起雲閣」は、今もなお、その当時の建築技法や装飾、細工を間近で垣間見る事ができる歴史的にも重要な建築物です。和・洋・中が融合した空間は、まさに大正時代へタイムスリップしたかのような錯覚に陥り、熱海の街中にいる事さえ忘れてしまいます。
多くの文豪が足しげく通った名邸をじっくりと巡りながら、小説・写真・絵画・アートなど、創作意欲を刺激してみてはいかがでしょう。

記事:亀井しのぶ

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